検察庁に提出

《上申書》死亡被害者の妻

 厳重な処罰を求める上申書

 

 私は,平成〇〇年〇月〇日午前〇時〇分ころ,〇〇市において発生した交通事故の被害者〇〇〇の妻として上申します。

 本件事故により,夫は脳挫傷の傷害を負い,意識不明の重体で〇〇病院に運ばれ,同日午前〇時〇〇分に死亡しました。

 本件事故は,夫が二輪車(単車)を運転して勤務先から自宅への帰宅途中,本件交差点の中央線付近において,徐行右折の夫運転の二輪車に対し,加害者が四輪車(普通自動車)を高速で直進運転して,加害四輪を被害二輪に衝突させた事故です。加害者は被害二輪を発見したのは衝突直前の中央線付近といっているそうですが,本件道路の見通しは良好であること,被害二輪を相当に前方手前から発見できた可能性があること等から,本件事故の原因は加害者の明らかな安全確認注視義務違反,前方注視義務違反だと考えます。

 また,加害者はゴルフをして友人と飲酒をしていたということ,被害二輪を加害四輪に挟んで標識を倒し路肩に乗り上げて止まるまでに〇〇mも進行していること,双方の車の破損状況と大破状況から加害四輪の時速は制限速度を遥かに超えるものだったと考えられること等,加害者の事故態様は極端に悪質です。

 更に,衝突地点は道路中央付近とのことですが,加害四輪のブレーキ痕がないこと,加害四輪が被害単車を挟んで走行した擦過痕が道路中央から進行方向左側の路肩にかけて存在すること,衝突後の加害四輪の停止位置が左側路肩であったこと等,これらのことは,加害者が飲酒,脇見,居眠り等で衝突するまで被害二輪に気付かず,しかも,中央線をはみ出して走行したということでしか説明がつきませんし,納得ができません。

 このような無謀運転によって,夫は健康な人生と将来の夢を奪われ,子供たちは父親を奪われ,私は最愛の夫を失いまいました。

 遺族として,妻として,加害者は絶対に許せません。

 厳重な処罰を求めます。

以上

 

《備考》過失割合と私的鑑定書-死人に口なし

 事故態様は信号機の設置されていない交差点で被害者の先行右折単車と後続直進四輪との衝突(単車と四輪の別冊判タ未掲載の事故態様)。保険会社の示談提示は被害者の過失割合50%。地裁判決は加害者側提出の私的鑑定書を採用して被害者の過失割合45%。控訴して私的鑑定書の不合理な計算式や数値を争いました。高裁判決は私的鑑定書を退け詳細な事実認定をして加害者75%,被害者25%としました。

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