民事裁判所に提出

《陳述書》1級(脊髄損傷)女子本人

 陳述書

1 事故と苦痛

  私は,平成○○年○月○日に,交通事故にあいました。

 その事故で,私の人生は大きく変わってしまいました。当たりまえの様に出来たことも出来なくなり,感じることが出来たことも感じられなくなり,行くことが出来たところへも行けなくなり,将来やるはずだったことも出来なくなりました。また,そのことによって受けた精神的苦痛は,言い表すことが出来ません。

 2 脊髄損傷の後遺障害と日常生活

 (1)脊髄損傷

今回の事故によって,私は脊椎に相当強い衝撃を受け,脊椎骨折,脊髄損傷等の傷害を負いました。最初に救急車で運ばれた病院から○○病院に転院して,脊髄損傷の治療を受けました。長期間に渡る入院治療と手術を受けましたが,事故前の状態に戻ることはなく,重大な後遺症が残ることになりました。後遺症の内容については,「診断書」と「意見書」に書いてあるとおりです。脊髄損傷のため,何の感覚も感じることが出来ず,また,動かすことすらできなくなってしまいました。そのため,立つことはもちろんできませんし,座っていることもできません。支持や背もたれがなければ座っていることも出来なくなりました。 

(2)座るということ。

今,車椅子に座っていますが,健常者の方が座るのとは,かなり違います。座るというのは,一生懸命に姿勢を保つ努力をしている状態で,1時間30分位が限界です。また,度々,腕でお尻を揚げる動作も必要となります。体に負担がかかり,疲れます。一生懸命に努力して車椅子に座り,家の中でも,車椅子でしか移動できません。しかも,トイレ,風呂などは家の増築や新築などがしてありませんので,使用できず,家の中で移動できるところも,ほとんどありません。私が生活できるように父親の敷地に平屋を新築する計画を進めていますが,そこでしか生活できないと思いますので,慎重に検討しています。当然,費用がかかります。

 (3)排尿と排便

 家の現状のトイレは,私には使用できません。家での排便排尿は,部屋のベットの上でします。 排尿には,尿管を利用しているとどうしてもばい菌がはいります。そこで,尿管を使わずに,おなかを圧迫する方法によると,少なくとも20分位はかかってしまいますし,完全に排尿されるわけではないようです。 排便は,便がたまらないように,摘便といって,お尻に指を入れ便をかきださなくてはなりません。そのためにビニールの手袋と乳幼児のお尻拭きが必要になります。また,時間的にも40分以上かかります。この摘便とその後始末を自分ではできませんので,母にしてもらいます。外では障害者対応の洋式トイレで,広いスペースがなければ不可能です。母に手伝ってもらいます。

 (4)着替

上衣は準備してもらわないと着れません。下衣は一人で着替えが出来ませんので,母に手伝いをしてもらいます。そのために,着替えをするにも15分位はかかってしまいます。また,好きな服や着たい服があっても,ゆったりとした作りの服でないと着ることは出来ません。

 (5)食事 洗濯 風呂

食事をとることは可能ですが,食事の用意をしたり,後かたずけをすることはできません。洗濯も同様です。風呂は自分ひとりで入ったり洗うことやふくことはできません。風呂は,家の増築や新築などしていませんので,身体障害者療護施設○○○に入れてもらいに週2回行きます。身体障害者の入浴可能なお風呂が出来ても,介護がないと入れませんし,極めて危険です。今は,母がいますが,母の歳を考えると,将来はとても不安です。

 (6)就寝

 1日の生活を終え,眠るときも朝まで眠っていればよいというものではなく,床ずれを防止するために,夜中に3回ほど起きて,母に手伝ってもらって体の姿勢を変えなくてはなりません。

3 外出と仕事

 (1)外出と車椅子及び自動車

 後遺症で,車椅子は絶対に必要となりました。耐用年数は4年ということになっています。その都度費用が必要になります。私は,まだ,運転ができませんが,将来運転できるように自動車に手動装置つけで,改造しました。車が代わるたびに改造費用等がかかります。結局,外出は,車椅子で行ける範囲で,両親の介護が常に必要になります。行く先々の設備等の状況によって行けるところは当然限りがあります。トイレの問題や,段差や幅に問題があるところにはいけません。

(2)事故前の仕事と外出

 私は,高校を卒業後,会社に就職し仕事をしていました。会社でもらっていた給料は源泉徴収表のとおりです。当然将来はもっともっと昇給するはずになっていました。今回の事故で仕事をすることは不可能になってしまいましたので,休職期間経過後,解雇扱いになりました。

私は仕事をしたいです。しかし,通勤できません。トイレが不安です。精神的負担の大きいのは,排尿排便の問題です。出先では,家に入るときとちがい,いつでも自由にはできません。障害者対応トイレがあっても,一人では移れません。排尿でも20分はかかります。待つことも出来ません。もらしてしまうことがあります。排尿排便の心配をするだけで非常に負担に感じ,体調が悪い時にはトイレのことで頭が1杯になり,外出できません。大便をもらしてしまうこともあります。後始末できません。それは人間として,女性として,非常につらいことです。

 (3)今後の就職の見込み

 「障害があっても,仕事ができるように,資格や技術を身に付いたら収入が得られる。」という人がいるとしたら,非常に酷であると思います。現実にかなり厳しいことや,むずかしいいことをひきあうにだされて,さらにがんばったら問題もなくなるでしょうと指摘されるとしたら,この事故で私は被害者なのに,まるでいじめられているように感じます。私は仕事をしたい。もっと努力したい。働きたい。しかし,自宅で仕事ができるような資格や技術はもっていません。今後の就職の目途や収入が得られる目途はたっていません。この事故による障害で,さまざまな可能性がほとんど失われたのです。私にとって,できないことは限りない苦痛です。

 4 精神的苦痛と不安

  私は,今回の事故による障害で,事故にあうまでにはできたこと,これからいろいろやろうとおもっていたこと,それらがすっかりできなくなってしまいました。このことにより私が精神的苦痛をを受け,どんなに将来について不安に思っているか,とても言い表すことができません。せめて,出来る限りの十分な損害賠償により,少しでも安心して生活できるようにしていただきたいと思います。

以上

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